本文へ

 

「出逢いの大切さ」

2002.08.01:コラム…「CHRニュース」Vol.15より

●わが庭、蔵王

 毎年7月は、山形の蔵王山中にあるドッコ沼のそばのロッジで、研修をするのが恒例になっています。

 市役所の職員対象の2日間研修を2班、4日間蔵王に滞在をするのですが、1班が終わった後、フリーの時間がとれるのが毎年の私の楽しみで、あちらこちら散策をしたり、頂上までロープウエイで上がったり、お釜に連れて行ってもらったりして、蔵王の地図が頭に描けるくらい詳しくなりました。できればもっと時間をかけて歩いてみたいと思うのですが、夕方の少しの時間では限られた行動しか取れませんでした。案内をして下さるロッジの支配人が、とても人間味のある人で「仕事が終わった後ゆっくりすれば、案内して上げられるのに」と言われていました。

 そこでそれを狙って、今年は“海の日”に続く日をスケジュールに入れました。折角ですので、一緒に歩く人を誘ったのですが、CHRの関係者には希望者がなく、別の友人に声をかけ、誘いに乗ってきたのが、東京の友人夫婦と広島の友人の3人でした。

●友、遠方より来る

 東京の友人は、かなり年下ですが、交流分析のある団体での出逢いで、相当長い付き合いになりました。今年の2月には、夫婦が知り合いの山形市内で評判の割烹料理店で、私の還暦祝いをして下さり、ついでに蔵王まで、樹氷を観に行きました。広島の友人は、高校時代からの友人で、広島に帰ったときには、ほとんど会い、時々泊めてもらい、私の実家がなくなっても、実家がわりをして下さる人です。

 広島から山形まで、8時間くらいかかるのですが、朝早く出発し、山形駅で東京の友人夫婦と待ち合わせをし、私の仕事が終わる頃に、蔵王の麓まで来てもらいました。そこに私がスカイケーブルで降りていき、ロッジの支配人がすでに麓まで車で下りて待っていて、お釜にむかいました。2年前に行ったときは、地元の人でもなかなか見られないという、コバルトブルーのお釜を堪能することができましたが、今回は生憎一瞬しか見ることができませんでした。「あっ!見えた!見えた?見たよね!」こんな会話が瞬間とびかいました。

 台風7号の影響か4日間の中で1番強く雨が降り始め、ロッジに戻る頃はどしゃぶりになってしまいました。それだけに「見えたよね!」の意味が重いのです。

 ロッジの夕食がまた素晴らしいのです。名前がなかなか覚えられないような山菜が次々と、様々な調理法でテーブルに並びます。これも私の楽しみの一つですが、同じ時に2度プライベートな食事をしましたが、同じ料理がでなかったのです。

 翌日は朝のうち小雨でしたが、出発する頃から太陽がのぞき始め、それほど日差しも強くなく、遊ぶには最高の天気になりました。夏休みに入って忙しくなった支配人の案内は無理となり、遊ぶコースを説明してもらい、(すでに2日目の夕方、予習の意味でコースは案内してもらっていました)おにぎりを持ってスタートしました。山の上で食べるおにぎりは最高においしく、素晴らしい1日になりました。麓の温泉で疲れを取った後、山形市内に下りて1泊。次の日は、料理屋のご主人の案内で、湯殿山に参りこれまた珍しい体験をしてきました。

●出逢いの大切さ

 山から下りた夜は、割烹料理をいただきました。

 友人夫婦をもてなすこの料理屋夫婦の気の使いようは並外れていると思いました。同伴の私たちもそのお相伴に預かるわけですが、それにはこんなエピソードがありました。昔、地方から多くの若者達が修行のため東京にきていたそうで(多分今もだと思いますが)、親方からはしごかれ、友達も無い寂しい境遇の若者達に、せめて月に1度は気楽に集まってもらいたいと、あるスナックのマスターが溜まり場を提供し、そこに同じような若者達が来て、友達をつくったりしたそうです。

 女性も参加するようになって、彼女がお姉さん代わりに手伝い始め、そこで多くの若者達の面倒を見てあげて、その時の恩をとても強く感じた気持ちが、接待に表れていたのです。

 すっかりリフレッシュして戻ってきましたら、今度は沖縄からマンゴーが届いて、部屋中がマンゴーの甘い香りです。沖縄の親戚代わりからの恒例のプレゼントです。3度の旅行に私と同行したメンバーの家にも、毎年同じように届いているのです。沖縄旅行の出逢いが今もこうして続いています。

このページのトップヘ