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「20回シリーズ『楽しく学ぶ交流分析』を終えて」

2000.12.1:コラム…「CHRニュース」Vol.8より

●第20回楽しく学ぶ交流分析を終えて

10月7日〜8日の杉田峰康先生による、第20回楽しく学ぶ交流分析は、シリーズ最後のテーマにふさわしく「あなたは"本当の自分"を生きていますか?」と題して2日間とても内容の濃い講座となりました。人生脚本のなりたちについて丁寧にあらゆる角度から説明があり、それぞれの人が自分の人生を振り返りながら、時になるほどと肯いたり、心のしこりと戦ったりの2日間でした。

 毎回講座の中で、先生からワークへのお誘いがあるのですが、なかなか勇気が要ることで全然希望者がないこともありましたが、今回は最後だという思いも手伝ってか、2日目は次々と手が挙がり、今までになく大勢の人がご自分のことをオープンに語って下さいました。エンプティチェアーによる方法は、時にユーモアも交えた巧みな先生のリードで、一所懸命自分の心を見つめながら問題解決を求める人と、参加者一同が一体となって緊迫感のある、それでいて温かい空気の流れる空間でした。理屈だけでなく人生脚本を生の事例で理解することができたことと思います。ワークを受けた方々が、とても良い体験ができたことを喜んでくださいました。そして、今までとは違う何かを肌で感じ取り前向きに捕らえて下さったようです。

 最後に書いていただいたアンケートにも、主催者としてとても満足のいく内容が多く、とくに同じ杉田峰康先生の講座を、他の機関で学んだ事のある人も多かったのですが、CHR研究所主催のセミナーは、よそでは味わえない温かさがあると評価されました。これは私自身が、いろいろなところで杉田先生の講座に参加していて感じることでもあります。

 初めて交流分析の存在を知り、杉田先生と出会って、これから学びたいと思った人は、おしまいと聞いてとても残念に思って下さいましたし、ほとんど毎回出席した人もさびしくなるとおっしゃっていました。  様々な感慨をもって10年間の幕を閉じました。

●私と交流分析との出会い

 私が交流分析と出会ったのは昭和53年のことで、まだ日本に入って間のない頃でした。自分で学びたいと思って始めたのではなく、偶然社員教育の講師として採用された会社で、研修に必要だったものですから学んだのです。

当時三人の息子を育てている現役の母親でした。交流分析を知って、自分の子育てを振り返り、また私が育ってきた家庭環境や家族関係なども振り返り、自分の性格形成の過程がかなり見えてまいりました。更に受講生と接しているうちに、これは母親に是非学んでもらいたいと強く感じるようになりましたし、受講生からも同じ思いを云われました。「もっと早く知りたかった」私の率直な気持ちでしたが、これは交流分析と出会った母親がよく口にする言葉です。

 一方「交流分析は理論だからすぐには役立たない」という言葉を聞くことがありますが、私はそれは学び方が違うのだと思います。深く学べば学ぶほど理解は進み、何とかしたいという思いにかられます。

 「私のできる所から始めましょう」と思ってできたのが「母親笑顔教室」の形となり、更に「交流分析講座」へと発展しました。交流分析と出会っていなかったら、私は多分世間一般の教育ママになっていたかも知れません。あるとき息子たちに聞いたことがあります。「お母さんが教育ママだったら、みんなもっとお勉強ができて、素晴らしくなっていたかしらね」と。長男曰く「お母さんは兄弟みんな個性が強いということを知ってるでしょう。もし教育ママだったら金属バットだったかもよ」事件にならなくて良かった!

●楽しく学ぶ交流分析へのきっかけ

 杉田先生の講座は昭和58年から、数え切れないくらい受講しています。分かりやすく面白くいつも引き込まれるように学ばせて頂いています。

大勢の人に学んでいただきたいとの思いはもち続けていました。ある時、初めて参加した合宿で主催団体の会長から先生ご夫妻との食事の席に招かれました。そこで、初めて先生と個人的に話す機会ができましたので、永年の私の夢を語りCHR研究所に来ていただけないかと伺いましたら、とても快くお引き受けくださったのです。

その翌年1991年に第1回の「こんな子供に誰がした」を開催しました。名も無いCHR研究所にどれだけの人が集まって下さるか、先生に失礼があってはとハラハラしました。しかもお盆の時期です。杉渓一言先生のお力添えもあり、感動するほど大勢の人が参加してくださいました。爾来皆様のお蔭でここまでやってまいりました。心から感謝しております。

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